アメリカの領海 2015 9 6
2015年9月6日の日本経済新聞Web刊には、このような記事がありました。
(ワシントン)アメリカ国防総省は4日、
アラスカ州沖のベーリング海で活動していると確認した中国海軍の軍艦5隻が、
アリューシャン列島を通過した際、アメリカの領海に侵入したと発表した。
(中略)
中国政策は、ライス大統領補佐官らが主導した結果、
中国側の様々な増長を招き、綻んでいる。
たとえば、東シナ海上空の防空識別圏の設定や南シナ海の人工島づくり、サイバー攻撃などがある。
(以上、引用)
中国艦隊によるアメリカの領海通過は、
中国共産党指導部の指示とは思えません。
9月下旬には、習近平国家主席の訪米を控えているからです。
そうすると、今回の領海通過は、
現場の兵士が勝手にやったことになります。
こういうことは、人民解放軍では、よくあることかもしれません。
10年前だったでしょうか。
人民解放軍による衛星破壊実験を、
中国共産党指導部が事前に知らなかったということがありました。
私は、5年ぐらい前に、
中国共産党指導部の最高幹部が、国際ニュースのテレビをつけたら、
「わが軍は、いったい何をしているんだ」と驚く場面が増えてくるだろうと書きました。
中国共産党指導部の最高幹部は、
軍事だけでなく経済も考えて行動しますが、
現場の兵士にとっては、
「経済なんか、俺達には関係ない。
どうせ経済が良くなっても、
軍の幹部と党幹部が儲かるだけだ」という感覚です。
だからこそ、人民解放軍は、
中国共産党指導部の意向を無視して、勝手に動く権利がある。
書名 Newsweek ニューズウィーク日本版 2013 12 24
「オバマの対中政策は迷走中」という記事の中から、
気になる点を引用しましょう。
「中国の機嫌を取るライス補佐官」
なぜ、ワシントンの対中姿勢とアジア政策は、
ちぐはぐなのか。
理由は、いろいろ考えられるが、
最も説得力があるのは、
2期目のオバマ政権における人材とリーダーシップの欠如だ。
ドニロンに代わって、
国家安全保障問題担当の大統領補佐官に就任した、
スーザン・ライスは、アフリカと平和維持が専門だ。
(中略)
ライスは、東シナ海に言及した時も、
「尖閣諸島」には、まったく触れないなど、
中国のご機嫌取り的な発言が目立った。
これは、彼女の前任者や、
国務省や国防総省の専門家の姿勢とは、
明らかに異なる。
(引用、以上)